事例紹介

  • 親族内承継
  • 宿泊業

越前厨温泉あらき

料理人としてのこだわりを胸に、父親から息子へ料理旅館を承継。

越前厨温泉あらき

ご長男:荒木 太一さん (左)
代表:荒木 敏生さん (右)

承継の種類
親族内承継
所在地
越前町厨25-22
創業
1975年
事業概要
宿泊業
従業員数
4名
譲渡
代表 荒木敏生→譲受 荒木太一

家業を継ぐにあたって強みを生かす方向性を選択

外観

海岸沿いに、多くの民宿や旅館が建ち並ぶ越前町。近年は、高齢化などで廃業する施設が増える中、越前厨温泉あらきは親から子への事業承継に取り組んでいます。

代表の荒木敏生さんは、「1975年にこの場所で母が民宿を始め、私の代で阪神淡路大震災を機に5階建ての旅館に建て替えました。息子が跡を継ぐ話が出て、5年前に宿をリニューアルしました」と経緯を語ります。

福井市内の日本料理店で修業を重ねた息子の太一さんは、「日本料理店の親父さんには、5年後に家業を継ぐことを伝えていました。実際に事業を引き継ぐにあたって、自分が学んできた懐石料理をベースにしたいと考えましたが、多人数への対応は難しくなる。そこで客室数を絞り、満足度を高める方向を選びました。料理人が目の前で調理するスタイルの旅館は周りにあまりなく、強みになるはずです」と力強く語ります。

事業承継で補助金を活用10年以内の事業承継を目指す

太一さんの提案を受け、敏生さんは館内のリニューアルを決意します。リニューアルにあたり、県の補助金を活用し12室あった客室を全室オーシャンビューの6室にして、ライブ感のあるオープンキッチンダイニングを新設しました。

また、2025年には事業承継に向けた準備を進めるため、資金繰りなども含め、長年付き合いのある越前町商工会に相談。「事業承継に向けた企業価値向上補助金」を申請し、お客様により快適に過ごしていただくための設備更新にも取り組んでいます。

「各種補助金の活用で、当初の予定よりグレードアップでき大変満足しています」と敏生さんは笑顔を見せます。
あわせて、福井県事業承継・引継ぎ支援センターのサポートを受け、外部の専門家による指導のもと事業承継計画書を作成。自社の課題やスケジュールなどを整理し、10年以内に事業承継を目指しています。

新規やリピーターが増加料理への情熱を受け継いで

事業承継の現状について、敏生さんは「経営者としてはまだこれからで、昔からの仕入れ先との人間関係も引き継いでいきたい」と語り、太一さんは「経費と満足度のバランスなど、常に勉強です」と応えます。

リニューアル後は、「リピーターが増え、北陸新幹線の延伸もあって、これまでなかった長野や群馬など関東エリアからのお客さまも多くなりました」と手応えを語る敏生さん。「基本的に息子の意見を尊重していますが、地元の旬を生かした『越前一の料理宿』であるというこだわりだけは譲れません」と表情を引き締めます。太一さんは「一番大事なのは、お客さまに気持ちよく食事を楽しんでいただくこと。自慢の日本酒をより充実させ、今後は『日本酒の会』なども計画したいです」と展望します。時には親子でカウンターに立ち、料理人としての誇りと情熱を未来へ受け継いでいます。

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