変わらないおいしさをつくりつづける。
丸栄菓舗
代表 猿橋 純さん
会社の事業について教えていただけますか?
大正時代に祖父が創業し、今では100年を越えました。お菓子業界は老舗がとても多いので、100年ぐらいではまだまだ歴史が浅い方だと思いますが、私で3代目になります。
お菓子は「丸栄のあめ玉」と「松露(しょうろ)」がメインで、季節ごとのお菓子もつくっています。
事業を承継される前のお仕事や、承継のきっかけは?
東京で7年間、電化製品の販売や輸入会社、洋品店などさまざまな仕事を経験しました。父からも特に受け継いで欲しいという話はなかったので、自分が30歳になるまではやりたいことをやってみようと働いてきました。29歳の時に、父から電話があって、「これからどうするんだ?」と言われたことをきっかけに、東京での仕事も一区切りついたタイミングだったので、地元に戻って家業を継ぐことに決めました。
これまでと異なる仕事をどのように受け継いでいますか?
父はいわゆる職人気質で、長年お菓子をつくり続けていますが、自分はお菓子づくりの修行もしてきていません。そんな中、ぶつかることもありますが、父の仕事を見て自分で学ぶというのが基本ですね。料理をつくったりするのは元々好きな方で、子どもの頃から特別手伝うという意識もなく、職場を遊び場のようにして父の仕事を見てきたので、職場環境にはスムーズに慣れました。
承継してから取り組んだことや苦労した点は?
長年、地域にあるお菓子屋として、やはり地元の常連さんが多いので、商品のクオリティを下げず、これまでと変わらない味を守るためにどうしたらいいか考えています。
最近では、地球温暖化で小豆などの原材料の質の低下や、お菓子の仕上がりに変化も出てきて味が決まらないこともありますが、日々試行錯誤しながら変わらない味を守っています。
父も一緒に働いているので、お互いのこだわりがぶつかり合う時もありますが、それぞれ役割分担をしてバランスよく働いています。
経営者になった今、取り組んでいる課題や展望は?
元々はあめ玉がメインだったのですが、最近では「松露」が人気で、以前の倍近い数が売れるようになってきました。地元のお客さんでも、知り合いに配ったりするために10パックぐらい買っていかれます。元々嶺南では知られている菓子店ではありますが、徐々に嶺北の人にも知られるようになりました。特に広告を出しているわけではないのですが、口コミで広がっているのがとても嬉しいです。
県外の観光客の方もお店に立ち寄ってくれたり、県外からわざわざ買いに来られるお客さんも増えました。
松露は、昔の駄菓子でもあり、懐かしい味わいとして、知られていることもありますが、子どもたちにとっては、やわらかい食感やさっぱりとした甘さが気に入られているようで、子どもたちが食べるからと、購入いただく方も多くいます。
今後としては、県外から買いに来られる方も多くなってきたので、お土産品やギフトとしてパッケージを新しくするなど、そういった需要にも応えていきたいと思っています。